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「イクラ」の語源はロシアにある!?

師走を迎え、心忙しい毎日と存じますが皆様お元気でお過ごしでしょうか?

街にイルミネーションが輝くように、つやつやとオレンジ色に輝く獲れたてのイクラが市場にも彩りを添えています。秋に旬を迎える鮭とともにイクラも同じ時期が旬となります。産地によって差異はありますが、平均的に10月くらいで卵が成熟し、11月になると粒もますます大きくなります。以前、“「秋味」と呼ばれる旬の鮭”でご紹介しましたが、川に上がる直前の鮭、つまり産卵前の鮭はたっぷりと脂ものり、一番美味しいと言われ、お腹の卵にも高い脂肪分、栄養分が託されています。秋の終りから冬にかけて出回る生のイクラは、この時期だけの贅沢な食材なのです。

ところで、「イクラ」の語源はロシア語ということをご存知でしょうか?ロシア語でイクラは「魚卵」「小さくて粒々したもの」という意味を持ちます。正式な呼び名はクラースナヤ・イクラ(赤い魚卵)と言います。ただし、ロシア語で「イクラ」はサケに限らず、魚卵であればキャビアもたらこもすべて「イクラ」と呼びます。日本では、鮭の卵をバラバラにほぐし塩または醤油で味付けしたものがイクラです。元来日本では、サケの卵巣から取り出したもの(筋子)と粒状にばらしたもの(イクラ)を区別する名称がありませんでした。

雪の出雲大社

あるとき、ロシア人が粒状にばらしたサケの卵を「イクラ」と呼んでいるのを聞き、これを「イクラ」と呼ぶものと勘違いしたことに由来するとされています。実際、筋子と区別するのに都合がよかったために「イクラ」と呼ばれるようになったようです。ロシア式のサケの卵の食べ方が日本に伝わったのは大正時代で、樺太庁水産試験場がロシアから伝えられた製法で、保存の利く塩蔵品を試験的に製造したのが始まりでした。現在では、やや甘口の醤油漬けが主流になり、おなじみのイクラ丼やイクラの寿司(軍艦巻きなど)に使われています。また、地域にもよりますが、年末になると数の子同様に子孫繁栄の縁起物として“おせち”の具材に用いられます。色鮮やかなオレンジの粒が加わるとお重が一層華やかになりますね。

イクラは美味しいだけではなく、栄養もたっぷりです。ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンE、銅、タンパク質などが豊富に含まれています。さらに、レチノールやリン、ビタミンB1・2、マグネシウム、亜鉛、鉄なども入っています。動脈硬化を抑えると言われるEPA(エイコサペンタエン酸)、人の活動に欠かせないDHA(ドコサヘキサエン酸)、体を守る「抗酸化作用」があると言われるアスタキサンチンも含まれています。あの小さな粒の中にこんなにたくさんの養分が凝縮されているとは驚きです。但し、脂肪分の一種なので食べ過ぎには注意です。とは言え、ほかほかご飯にイクラのしょうゆ漬け、プチッと口の中ではじけて広がる磯の香りは、至福のご馳走ですね。

海の幸、川の幸、山の幸、野の幸、日本には四季を通して自然に育まれた様々な恵みがあります。その旬のものを頂くことで、体も心も健康に暮らせると言われています。イキイキとした自然の命を頂くことで私たち人間もイキイキと過ごせるのです。“頂きます”の感謝とともに、今年を元気に締めくくり、新しい年を迎えましょう。

神宮

<わたしたちは伊勢神宮・出雲大社 奇跡の両遷宮「神の宮」 増浦行仁写真展に協賛しています>

増浦行仁
増浦行仁プロフィール

1963年生まれ。1981年渡仏。1983年 VOGUE(Paris)ギィ・ブルダンのアシスタントとなる。1987年サロン・ドートンヌ入賞。ルーブル、オルセー、パリ近代美術館、ロダン美術館にてポスト印象派の彫刻を撮影。1988年フランス国立図書館に作品31点が永久保存される。2002年、フィレンツェのカーサ・ブオナローティ(ミケランジェロ美術館)を皮切りに、2003~4年日本国内各地にて『GENESIS』(ミケランジェロ作品集)展開催。2006年より神宮司庁の許可を得、伊勢神宮「第62回式年遷宮」ならびに2008年より出雲大社「平成の大遷宮」の撮影をそれぞれ開始する。2013年5月に出雲大社、10月に伊勢神宮の正遷宮(神体の渡御)が行われるまで撮影に従事。これらの撮影作品は『神の宮』として国内外で巡回展を開始。同時に日本の精神文化、その自然観と伝承知による地球40億年の生命の継承を伝える「神の宮共働態」を結成。 写真集『GENESIS』『天狗の棲む山』、関連書『おれは土門拳になる~“奇跡の光” にたどり着いた写真家・増浦行仁の生き方~(村尾国士/著)』

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